住まいの基本は、安心安全に暮らせること、これが断トツで一番重要です。

不動産のことを体系的に勉強している唯一の資格である「不動産鑑定士」の立場から、「不動産」の基本についてお話ししたいと思っています。
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1.住まい基本(安心安全)編

[序文]
私のところに相談に来るお客様と話をしていて不思議に思うことがあります。
それは、現時点でマーケットに出ている現物を前提にお話をされることです。
「このマンションを買おうと思っているのだけれど、どう思うか?」
「北向きの部屋だけれど、眺望はいいから問題ないと思っているのだけれど、どう思うか?」
「この物件、周辺相場と比較して、少し安い気がするのだけれど、何か問題があるのか?」
等々。

勿論、マーケットに出ていない物件は買うことができないのだから、当然なのですが、「家を買う」ということは、しばらくそこに『住む』ということなのですから、本来は、自分たちが住みたいエリア・条件を明確にし、それに合致した物件につき、価格が折り合えば購入する、という流れが正しいと思います。

そして、そもそも『住む』ということは、その家で生活するということであり、長い時間部屋にいるということであり、家具や装飾品、アルバム等の財産を保管するということでもあります。

「何を当たり前のことを」と思うかもしれませんが、それだからこそ、『住まい』にとって最も重要な機能は“安心安全”だと思うのです。

『住まい』にとっての“安心安全”とは、
(1) 大地震が来ても、倒壊する可能性の低い建物であること。
(2) ゲリラ豪雨等の想定外の大雨が降っても、浸水しない場所であること。
(3) 空き巣等の侵入犯が入ってくるのが難しい場所・建物であること。
(4) 建物周辺、特に駅から家までの経路に治安面で不安な個所がないこと。
等が挙げられると思います。

そして、この“安心安全”な物件は、【資産性】も高く保たれる可能性が高くなります。
(1)(2)の地震や大雨で損害を受ける建物は、それが発生した時点で【資産性】がガクンと落ちてしまうでしょう。
(3)(4)については、競争力が弱いので、少し景気が悪い時だと、価格が安くしか売れなかったり、そもそも買い手が付きにくいことが考えられます。

このように、『住まい』をシンプルに考えて、一番大切な“安心安全”を重視すれば、平穏な生活だけでなく、【資産性】も保たれるのです。

まず、以上のことを前提に、それぞれについて細かくお話ししたいと思います。