不動産の安心安全(大地震想定編) 建物02

1.住まい基本(安心安全)編

(1) 安心安全(大地震想定編)

B.建物

前回から“安心安全”のうち、「耐震性」に関しての続きです。
今回は「建物」についての続きです。

b.構造(木造、鉄骨造、RC造)

中古住宅の購入を考える場合、戸建にするか、マンションにするか、という点も迷われると思います。戸建の場合は木造か鉄骨造(ALC含む)が多く、マンションですとRC造がほとんどだと思います。
それぞれの良し悪しを見ていきましょう。

( i ) 木造
[メリット]
コストの安さ
[デメリット]
木材の腐朽やシロアリ被害の可能性
施工がきちんとしていないと倒壊の可能性

( ii ) 鉄骨造
[メリット]
比較的地震に強い
[デメリット]
木造と比較すると少し高い

( iii ) RC造
[メリット]
地震に強い
一般的に遮音性も高い
[デメリット]
建築費が高い

いずれの構造でも、施工業者がきちんと作業をしていなければ、耐震性等は保たれないのですが、一般的な話として進めていきます。

木造」で「自由な間取り」をメリットとして挙げている人もいますが、熊本地震では、2000年基準(最新の耐震基準)で建てられた木造2階建住宅が倒壊した原因の一つに「直下率」の低さが挙げられています。「直下率」の低さだけが原因ではないとされていますが、「直下率」が低い方が倒壊の可能性が高いことは確かです。
直下率」とは、上の階の壁や柱の位置が、下の階の壁や柱の位置とどれだけ一致しているかを示した割合です。つまり、1階が広いリビングで、2階は細かく部屋を分けて、という自由度の高い間取りは、「直下率」が低いのです。
#逆に言えば、自由度の高い間取りの場合は、『耐震等級3』でない限りアウトでしょう。

別の観点からいうと、東京都心部で「戸建て」というと、狭小地に建つ木造3階建てが主流です。
一階が駐車場として壁が後退しており、2階が広いリビング、3階が子供部屋用に細分化された部屋という間取りが多いです。
専有面積当たりの単価で比較すると、同規模のマンションより安い物件も多く、選択肢の一つにする方もいますが、この場合も『耐震等級3』でない限り購入はしない方がいいでしょう。

鉄骨造」「RC造」は、メンテナンスさえされていれば、木造のようなリスクは小さいと思います。

熊本地震後に改めて調査された『表層地盤』を見ると、2000年基準の木造2階建住宅が倒壊した益城町役場の周辺より、東京都心部は台地上でも揺れやすさが一段階上(揺れやすい)なので、熊本地震と同じような揺れが発生すると、東京の方が被害が大きくなる可能性もあります。

『高台』であることに安心せず、建物の耐震性も重視していただきたいと思っています。

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「不動産鑑定士」として相談を受けているうちに、物件購入を検討する多くの方が主客転倒(※)のアプローチをとっているのではないかなと疑問に思うことが多く、物件購入を検討する前に知っておいていただきたい不動産の基本についてお話ししたいと思っています。
(※)現在「マーケットに出ている物件」を前提に考えるのではなく、そもそもどんな不動産がリスクも少なく、資産性も保たれる可能性が高いのかを考えていただきたいと思っています。