安心安全に暮らしたいなら、防犯面では必ずこれをチェック

1.住まい基本(安心安全)編

(3) 安心安全(防犯編)

前回4つ挙げました“安心安全”のうち、今回は「防犯」に焦点を当てたいと思います。

『犯罪(防犯)』というのは、何も起きていないから“安心”なのではなく、常に警戒と対策をし続けることが大切なのだと思います。
現在、防犯対策として注目されている『犯罪機会論』では、犯罪の発生原因につき、「犯罪者の人格・性格」よりも「犯罪の発生した環境(場所)」に注目しており、これを不動産について考えると、やっぱり犯罪の発生しにくいエリア(街)というのはあるのだと思っています。

その上で、住む人を守るための「階層」「建物設備」にも注目したいです。
以下、犯罪に遭わないための「エリア(街)」「階層」「建物設備」について説明します。

(a) エリア(街)

東京都内でしたら、警視庁が『犯罪情報マップ』というものを公開してくれています。

『犯罪情報マップ』
http://www2.wagmap.jp/jouhomap/Portal

このマップを見ると、この曙橋周辺を含む牛込地区(神楽坂~曙橋周辺)は犯罪数の少ない安全なエリア(街)だということが分かると思います。
ただ、明治通りより西側、山手線沿線の地域は、犯罪発生数が比較的多くなっています。
小さい子供がいるファミリー層や女性の一人暮らしで選ぶべき物件は、やはり安全だと分かっているエリア(街)を選ぶべきでしょう。
ただ、このマップだけでは分からない情報もあります。
例えば、新宿区住吉町の町会は、防犯パトロールを毎週やっています。年末夜警をやる町会は多いですが、毎週防犯パトロールをやり続けている町会は少ないです。
こういう防犯意識の高い町会(街)かどうか、というのは、マップでは分かりません。

(b) 階層

警視庁の『住まいる防犯110番』というサイトがあります。

『住まいる防犯110番』
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_a_1.html

これを見ると、「侵入窃盗の発生場所別認知件数」で、
一戸建住宅 41.0%
共同住宅(3階建て以下) 11.9%
共同住宅(4階建て以上) 4.4%
と、そもそも共同住宅の方が空き巣等の侵入窃盗に遭う危険性が少ないことが分かります。
そして、4階以上の部屋は、バルコニー等の玄関以外からの侵入が少なくなります。
女性の一人暮らしや、子供だけで留守番をする可能性がある場合は、3階以上、できれば4階以上のマンションの部屋に住むのが安全です。

ただ一つ気を付けていただきたいポイントが排水管です。バルコニーのすぐ近くの外壁に排水管が設置されている場合、排水管をよじ登って侵入する手口があるので、排水管がバルコニーに乗り移れそうな場所に設置してある建物は避けましょう。

(c) 建物設備

上述の『住まいる防犯110番』にも防犯性能の高い建物部品が掲載されていますが、建物の設備として備わっていて防犯面で安心な設備は「モニター付きインターホン」と「宅配BOX」です。
侵入犯の抑止力として、「防犯カメラ」も重要だと思いますが、「モニター付きインターホン」があると、来訪者の顔を確認して応答するか否かを決められるのが大きいです。
顔や様子を確認して、少しでも怪しいと思えば、居留守を使えばいいのです。
宅配BOX」があれば、本物の宅配業者であった場合には「宅配BOX」に預けてもらえます。生もの等預けられないものもありますが。

特に小さい子供が留守番をすることがある家では、「モニター付きインターホン」があれば、親だと確認できたとき以外は開錠するな、と言い聞かせられます。子供だけでの留守番はお勧めできませんが、止むを得ない場合に安心感が違います。

以上、防犯面で安心安全を追求するなら、
安全なエリア(街)
マンションかつ4階以上の部屋
「モニター付きインターホン」と「宅配BOX」の設備あり
ということになります。

[豆知識]
マンション管理の現場では、犯罪を未然に防ぐ物理的な環境を整備するための指針として、①監視性の確保②領域性の強化③接近の制御④被害対象の強化・回避、の4つの観点から整備・管理しています。

これらを詳しく説明すると、更に長くなってしまうので、ご興味のある方は、上記『住まいる防犯110番』の「共同住宅の防犯関係基準」をご覧ください。
ここに書かれている内容を満たしている建物は、居住者の安全に関して意識の高い安心できる物件です。


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「不動産鑑定士」として相談を受けているうちに、物件購入を検討する多くの方が主客転倒(※)のアプローチをとっているのではないかなと疑問に思うことが多く、物件購入を検討する前に知っておいていただきたい不動産の基本についてお話ししたいと思っています。
(※)現在「マーケットに出ている物件」を前提に考えるのではなく、そもそもどんな不動産がリスクも少なく、資産性も保たれる可能性が高いのかを考えていただきたいと思っています。