マンションか戸建か (セキュリティ)

3.マンションか戸建か

前回は『耐震性』の観点からは、都心部では「狭小地に建つ木造3階建住宅」より「マンション」の方がリスクが少ないという話をしました。
今回は、特にファミリー層を念頭に『セキュリティ』について比較検討してみます。

(3) セキュリティ

これについては、以前「安心安全(防犯編)」で触れた内容とほとんど同じです。ここでは、マンションと戸建の比較の観点から記します。

(a) エリア(街)

これについては、マンションも戸建も一緒です。安全なエリアを選びましょう。

(b) 侵入可能性

留守宅への侵入を目論む犯罪者は、下見をすると言われています。そして、家族の生活パターンを調べ上げ、誰もいない時間帯に進入を試みます。

「戸建て」の場合、玄関を見ていれば、誰が出てきたか丸分かりです。
それに対して「マンション」では、集合玄関から出入りするので、出てきた人間がどの部屋から出てきたかを特定するのも一苦労です。

警察庁が公開している『住まいる防犯110番』というホームページによると、平成29年の侵入窃盗発生場所別認知件数で、一戸建住宅が41.0%なのに対し、共同住宅は16.3%(三階以下11.9%、四階以上4.4%)と半分以下なのです。

マンションのオートロックは結局誰でも入れてしまうじゃないか、という声も聞きますが、防犯カメラ等があれば抑止力の一つにはなっていると思います。また、侵入窃盗は、階数が四階以上になると少なくなるので、階数が高いところに住むというだけでも防犯面で効果があります。最上階は、また屋上からの侵入があり得るのですが

(c) 侵入強盗

侵入犯罪の中で「空き巣」よりも怖いのは「侵入強盗」ですが、これも、マンションは在宅かどうかが分かりにくいので、強盗には入りにくいです。

これに関しては、マンション設備の
・モニター付きインターホン
・宅配ボックス
が有効です。

来客をモニターで確認した上で応答をせず居留守を使うこともできますし、居留守を使った相手が本当に宅配便だった場合でも、宅配ボックスに入れておいてもらえるという安心感があります。
#生鮮品等では宅配ボックスを使うことはできませんが。

以上のことから、『セキュリティ』についても「マンション」に軍配が上がります。

(4) まとめ

つまり、この章の『マンションか戸建か』をまとめますと、

となります。

都心部に住む、という観点からは、やはり「マンション」の方が住みやすいことが多いと思いますが、「マンション」は完全に自分の“所有”となるものではない(他の居住者との“共有”)ので、『終の棲家』とするには向きません。

子供や孫が故郷として帰ってくる場所が欲しいのであれば、「戸建て」を選ぶしかないと思います。

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「不動産鑑定士」として相談を受けているうちに、物件購入を検討する多くの方が主客転倒(※)のアプローチをとっているのではないかなと疑問に思うことが多く、物件購入を検討する前に知っておいていただきたい不動産の基本についてお話ししたいと思っています。
(※)現在「マーケットに出ている物件」を前提に考えるのではなく、そもそもどんな不動産がリスクも少なく、資産性も保たれる可能性が高いのかを考えていただきたいと思っています。